アパレル売場で役立つテレビドラママーケティング

ショップリサーチコンサルタントの都築志摩です。

 

前回投稿「販売員がテレビドラマのひとつも見ておいたほうがいい理由」でもご紹介しましたが「接客時にテレビドラマのファッションネタを使う」意図は、お客さまに「ドラマで取り上げられるほど、このようなファッションがトレンドになっている」という情報をお伝えすることです。

 

もちろん「ドラマ出演者の着こなしが自分の店の取り扱いアイテムやコーディネートに合っていて、エッセンス部分が再現可能である」のが前提ではあります。

 

ただ、この前提に合っているのであれば、お客さまへの提案力強化&接客時の話題作りのために、大いに活用してみる価値はあるのではないでしょうか。

 

例えば、今シーズンのドラマで言えば「ボク、運命の人です」の木村文乃さん。彼女は、一貫して「ゆるめのワイドパンツ」を着こなしています。

 

清潔感があり好感度も高い木村文乃さん、ゆるめのワイドパンツの着こなしは、彼女の雰囲気によく合っていますよね。

 

「ゆるめのワイドパンツ」の取り扱いがあるお店であれば、彼女のファッションを意識したコーディネートでディスプレイしたり、木村文乃さんと同世代のお客さまとの接客時に話題に出してみるのはいかがでしょうか。

 

 

過去のテレビドラマのファッションの中には、社会現象になる程の影響力を持ったものがありました。

 

代表的なのは、何と言っても木村拓哉さんです。

 

一例としては、「ビューティフルライフ」で着用のパタゴニアのアウターやデイパック、また「HERO」で着用のA BATHING APE®の茶色のダウンジャケットは有名ですよね。

 

これら、木村さんのドラマは1月クール放送だったため、ドラマが始まる頃にはすでに冬物商戦は終盤戦でした。「HERO」が始まった時、店頭に残っているダウンジャケットは基本色の黒ばかりでした。「ダウンが茶色ければ、何でも売れるのに……!」と地団駄を踏んだものでした。(体験談。笑)

 

これらは、「ドラマで使われたブランドの単品」が影響力を持った例ですが、これ以外に「ドラマ出演者の着こなし」が影響力を持った例もあります。

 

過去の事例で、わたしが特に印象的に覚えているものが2つあります。

 

1つは、香取慎吾さん主演の2002年月9ドラマ「人にやさしく」です。原宿を舞台にしたハートウォーミングなドラマでしたが、香取さんが巻いていたアフガンストールは、男性ゆる系ファッションの必須アイテムになり、ブームは数年続きました。

 

また、このドラマに出演していた加藤浩次さんも大人男性のゆるカジのお手本と言ってもいいファッションでしたので、とても印象に残っています。

 

もう1つは、上戸彩さん主演の2010年月9ドラマ「流れ星」です。こちらは、心に傷を負った男女のラブストーリーでしたが、上戸さんの着ていた「モッズコート+ゆる系ニット+ショートパンツ」のコーディネートは、大人気になりました。

 

写真出典はコチラ

 

「流れ星」当時、わたしが店長をやっていたショップは、比較的上戸さん系のアイテムが揃っていたので、このドラマが始まった時は「しめた!」と思いました。

 

毎週、月曜日にドラマを見て上戸さんのファッションをチェック、翌日、売場のアイテムで似たようなものを探して店頭のディスプレイを「上戸彩さん仕様」に変更しました。

 

足を止めるお客さまに、片っ端から「上戸彩ちゃんがドラマでこんな格好してて可愛かったですよ」と話しかけました。おかげ様で、アイキャッチ効果は抜群でした。

 

「毎日疲れて、テレビなんて見てる時間ない」「そんなドラマ好みじゃないから見たくない」

 

毎日お忙しいですよね。お気持ちは十分わかります。

 

でも、お客さま視点で考えてみましょう。このやり方は無理なく効果があるのです。

 

なぜなら、お客さまの目に自然に入ってくる旬な情報を売場で再現して見せているからです。視覚情報にプラスして、ドラマのネタを使って接客することにより、聴覚情報でお伝えすることもできるからです。

 

豊富な商品知識や蘊蓄を語る接客と、お客さまの「買いたい気持ち」「欲しくなる気分」に寄り添って必要な情報をお届けする接客、どちらが喜ばれるかは明らかではないでしょうか?

 

同じ仕事をするなら、楽しくやりましょうよ。